ふと気がつくと、ベタの尾びれが大きくさけて、下の部分がみるも無惨になっていた。服犬をめでるおばさん並に猫かわいがりしてきたつもりだったのに。

宮崎台で買ったベタを見ていると、久しぶりに、宮崎台に行ってみたい、と思ってくる。この町には生まれてから幼稚園に上がる頃まで住んでいた。勿論記憶は無いに等しいけれど、だからその記憶をねつ造でもいいから埋めたいと思って意味もなく自分の生まれた町を訪れてしまうのかもしれない。