帰ってきたあと、『惑星ソラリス』を見る。人が遊びにくる日を間違えて、急に暇になってしまった母親も「なに『惑星テトリス』って言うの???」と言いながらも珍しく一緒に見る。よくまあ、1972年なんて冷戦まっただ中にロシアでこんな映画とれたもの。別にエッチ!な場面は一つもないけれど、この映画の前提としての人類の進歩と科学への過度の信頼に対する倫理的疑問を投げかける姿勢、というのはぜっったいソビエト政府からしたら気持ちいい筈ないもんね....と思ったら35カ所も当局から削除された部分があるらしい。
SFって基本的に興味なかったけどこの映画はさすがに本当に面白い。目がとびでそうに面白いです。この勢いでジェームズ・キャメロン製作、ソダーバーグ監督、ジョージ・クルーニー主演の2002年のリメイク版(正確にはリメイクじゃなくって、スタニスワフ・レムの原作『ソラリスの陽のもとに』からまた脚本を起こしているらしいけど)も見てしまおうか。こちらではどうも恋愛を中心になっているらしいのでその時点でダメ臭が確実にするけどもうちょっと粘って想像してみる。この原作って、モチーフとなっているものの要素で見ると確かに間違いなくSFだけれど、基本的に惑星ソラリスに登場人物が降立つことはなく、ステーションの窓越しに見るか、夢か現実か判断出来ない場面かなので、密室であるステーションの中で完結していてある意味舞台的。その舞台が宇宙に持ち出されているということに大きな意味はあるけれど、ステーションの「外」と「中」、またその中での「部屋の中」と「部屋の外」いう関係は常に意識されてる。だから、ソダーバーグみたいな監督がとっても、ただスケールダウンするだけだよねえええ。ダメだ、やっぱりダメ!

まあいいや別に見なくてもどれくらい酷いかはサイトのトレーラー見るだけでわかったから、いつか暇だったら見てみよう。


そして、
タルコフスキーを見て、フィッシュマンズを聞く。メランコリーもいいとこだ。空から魔物が落ちてくる!