三池崇史『極道恐怖大劇場 牛頭』

ごず〜ごず〜♪

最近観た映画で一番面白かったのはhnmt、tky両氏に勧められて観てみた三池崇史の『極道恐怖大劇場 牛頭』(ASIN:B00009SEN0)でした。後半1時間過ぎたあたりから頭の中が沸騰。眠くて別の意味で頭が溶けだしそうので詳しくはないようは書けないけれど、基本モチーフとしては「あっち」と「こっち」をまたいでいるメビウスの輪の軌跡を兄貴(哀川翔)を追いかける曽根英樹の視点で描く3日間のロードムービー。牛頭(ごず)とは地獄で亡者達を責めさいなむ獄卒鬼のリーダー、牛頭馬頭(ごずめず)の一人であって、実際映画のある一場面で実体を持ったものとして描かれるのだけど、この場面がこの映画の一つのクライマックス。曽根英樹によって殺されてしまった(と思われる)兄貴(哀川翔)自身が牛頭に会うんじゃなくって、兄貴に会いたいと願う曽根秀樹が牛頭と会う、もう絵がヤバい。丸尾末広少女椿」か寺山修司田園に死す」を思わせる「っぽい」セットの和室の中で、こんなかんじ(http://review.ascii24.com/db/review/ce/d-vhs/2001/07/18/thumbnail/thumb220x165-images654334.jpg)の牛頭に顔をなめ回される曽根。こんな画をノスタルジックな駄目なアングラにみせないところが凄くいい。確かに私は「少女椿」も「田園に死す」もどちらも好きだけど、形式としてそのモチーフを受け継いだ時に、よっぽどのことがないかぎり滅多に面白いのはない。やっぱりね、ノスタルジックとか捨てちゃえ。こんな映画、もっといっぱいみたいなと思いつつ、自分も目指したいなあ。別に映画を撮るわけじゃないけれど、態度として。

というわけでおすすめです。